校長→附高生:34(6/5)フィーリングカップル5-5

私が高校生の頃のテレビの人気番組の一つのコーナーに,「フィーリングカップル5-5」というのがありました。


テーブルの両側に男子5人、女子5人が座ります。
最初に「第一印象」で好きな子を選び,それぞれがボタンで選びます。
自分が選んだ相手が自分を選んでくれていると,「カップル成立」というわけです。
司会者は,第一印象の様子を見ながら,いろいろな質問をしたり,質問をさせたりして,
相手の人たちの様子をさらに理解し,最後に「最終決定として好きな人」を選んでボタンを押します。
テーブルのところには5人と5人を結ぶラインが引いてあり,「一斉に開いてみましょう」で,二人の想いがつながって結ばれたラインが光り,「おめでとうございます。今回は○組がカップルになりました!」という番組なのです。
最後の場面で,誰かを選択して,「○くんの想いは誰に向けられたのでしょう。それは実るのでしょうか?では,○くんの想いをオープン!」でそのラインの光りが,目指す女子の方に伸びていき,…「あー, 残念でした。」とか「やったー。おめでとう」とか, いろいろな盛り上げる場面もありました。

番組としてよくできていたので, 学校祭などでも, いろいろな高校で行い, それで生まれたカップルもときどきいたほどです。

普段は, 2組成立くらい。意外に0組ということはほとんどありませんでした。
結構長寿番組で, 私が大学院生のある日, 「5組成立!」ということがあり, 「事前に示し合わせていたのではないか」など, 院生仲間の中で話題になりました。

分析してみると, いろいろと面白いことがわかるのです。数学の問題としてだけでなく, 「それをどう解釈するか」を考えると, またいろいろと奥が深いのです。都会と田舎の恋愛事情を想像することもできるのです。

今回は, そういう背景のある, 「フィーリングカップル 5-5 」に関する問題を, 以下に掲載してみます。

問題

(1) フィリングカップル 5-5 の場合
1-a. 5カップル成立する確率を求めよ。
1-b. 何カップル成立することが予想されるのか。(期待値を求めよ。)
1-c. カップルが成立しない確率はどれくらいだろう。(実は計算はとてもむずかしい。コンピュータで処理するのが適切な問題。)
1-d. 「自分が選んだ人」が自分を選んでくれる確率を求めよ。
1-e. 「自分が誰にも選ばれない」確率を求めよ。
1-f. 「自分を複数の人が選んでくれる」(現実だったら, バトルが発生しますね)確率を求めよ。

(2) 「5」でなく, 「10」だったら? 「n」にすると?
2-a. 全員がカップルになる確率は?
2-b. 期待値は?
2-c. 一つもカップルにならない確率は?
2-d. 「自分が選んだ人」が自分を選んでくれる確率は?
2-e. 「自分が誰にも選ばれない」確率は?

(3) いくつかの場合を比較してみて…. 人生への教訓を引き出そう
3-a. 「10」=周りに人が多くて選択肢や出会いが多い「都会」として, 「5」=それが少ない「田舎」と解釈して, どういうことを導けるのかを考えてみよう。
3-b.フィーリングカップル5-5を, たとえば男性だけを2倍にして, フィーリングカップル10-5にしたら, どういう変化が起こるのだろうか。
3-c.フィーリングカップルでは, 「第一希望」の人を選ぶことになっているが, 「第二希望」まで広げると, どういう変化が起こるのだろうか。
3-d.フィーリングカップルを別の形にアレンジした「ねるとん紅鯨団」というのが, その次の世代にテレビに登場し, これも長寿の人気番組だった。これはどういう点をどう変えた番組と解釈できるのだろうか。また, その後もいろいろな形で, 男女の出会いをサポートする番組が生まれているが, 独自の観点で比較・分析してほしい。あるいは, みなさんだったら, どういう番組を思いつくだろうか。
3-e.番組としては「男女の出会い」を素材にしているが, ここで数学的に考えられるモデルは「男女」でなくても同じように成立する。「出会い」あるいは「結びつき」などを一つの社会的現象あるいは自然現象として捉えたとき, どういう現象に注目すると, 面白そうか。検討してみてほしい。